
Polestarが米国市場から締め出された——その理由とは?#
ある日突然、人気EVブランドが米国で販売できなくなったら? それが現実となりました。
この記事で分かること:
- なぜPolestarは米国市場から撤退するのか
- 規制の対象となる「中国製ソフトウェア」とは何か
- 同じく中国系のVolvoとの扱いの違い
- Polestarの今後の販売戦略
約5分で読めます(本文約2,500文字)
【結論】重要ポイント3選#
- 米国政府がPolestarの販売継続申請を却下。 2027年モデル以降の米国販売は不可能になった。
- 規制の根拠は「Connected Vehicle Rule(コネクテッドカー規則)」。 中国に関連するソフトウェアを搭載した車両の輸入・販売を禁止するルールだ。
- Polestarは欧州・東南アジア・カナダ等へ注力する方針を発表。 欧州はすでに全販売の80%を占める主力市場となっている。
Connected Vehicle Ruleとは?基本概念の解説#
「Connected Vehicle Rule(コネクテッドカー規則)」とは、バイデン政権下で成立した米国の規制です。
対象となる「懸念国(countries of concern)」からのソフトウェアを搭載した車両の輸入・販売を禁止します。 中国はこの懸念国に含まれています。
規制の対象範囲は非常に広く、以下のような接続機能がすべて含まれます。
- Bluetooth
- Wi-Fi
- セルラー(携帯通信)
- 衛星通信コンポーネント
さらに、カメラ・センサー・車載コンピューターについても規制が適用されます。 これらの技術が外国の敵対勢力によって悪用され、米国市民の個人情報やインフラ情報が収集されるリスクへの対処が目的とされています。
また、中国企業が自動運転車を米国内でテストすることも、この規則によって禁止されています。
主な経緯と規制の詳細#
Polestarとは?#
Polestarはスウェーデン発のEVブランドです。 親会社は中国最大手の自動車メーカーの一つである**Geely(吉利汽車)**です。
米国では以下の2モデルを販売していました。
| モデル | 製造国 |
|---|---|
| Polestar 3 | 米国(サウスカロライナ州の工場) |
| Polestar 4 | 韓国 |
規制への対応経緯#
Polestarはこの規制への対応を1年以上前から準備していました。 2025年1月の時点で、規制が発効すれば米国から撤退せざるを得ないと予測していたことを明らかにしています。
その後、米商務省産業安全保障局(Bureau of Industry and Security)に対して、Connected Vehicle Ruleの適用免除(authorization)を申請しました。 しかし、この申請は却下されました。
この決定を受け、Polestarは米国市場からの撤退を正式に発表しています。
既存ユーザーへの影響はどうなる?#
米国で既にPolestarを所有・リースしているユーザーへの影響について、同社は明確な方針を示しています。
「お客様へのサポートが最優先です。既存のオーナーおよびリース契約者は、現在と同水準のサポートとサービスを引き続き受けられます。すべての既存保証は有効であり、その条件に従って保証します。」 — Polestar広報 Michael Ofiara氏
既存オーナーへの影響のポイント:
- 既存の在庫車両は引き続き米国顧客へ販売される
- サービス・サポートは継続提供
- 既存の保証はすべて有効
ただし、2027年モデル以降の新車のマーケティングおよび販売は米国では行われません。
Polestarの今後の戦略:欧州・アジアへシフト#
米国市場を失うPolestarは、欧州を中心とした他地域への注力を鮮明にしました。
Michael Lohscheller CEO(最高経営責任者)のコメント:
「自動車業界は地域のダイナミクスに基づく新しいフェーズに入っています。欧州が最大の成長エンジンであり、Polestar 7を欧州で製造する計画があります。2025年および2026年第1四半期の記録的な販売実績が、私たちの進歩を示しています。」
注力する主な地域:
- 欧州(全販売の80%を占める最大市場)
- 東南アジア
- 東欧
- ラテンアメリカ
- カナダ
他社との比較:同じGeely傘下のVolvoは?#
興味深いのは、Polestarと同じくGeely(吉利汽車)が筆頭株主であるVolvoは、同規制の適用免除(authorization)を取得した点です。
| ブランド | 親会社 | 米国販売の可否 |
|---|---|---|
| Polestar | Geely(中国) | 不可(2027年モデル以降) |
| Volvo | Geely(中国)が筆頭株主 | 可(免除取得済み) |
なぜ同じ親会社を持ちながら扱いが異なるのか、その詳細な理由はソース記事には記載されていません。 詳細は元記事を参照してください。
よくある質問(FAQ)#
Q1. Polestarの既存オーナーはサービスを受けられなくなるの?
A. なりません。Polestarは既存オーナーへのサポートとサービスを継続すると明言しています。保証も引き続き有効です。
Q2. Connected Vehicle Ruleはどの政権が作った規制?
A. バイデン政権下で成立した規制です。
Q3. Polestarはなぜこの規制に引っかかるの?
A. 親会社が中国最大手の自動車メーカーの一つGeely(吉利汽車)であり、規制が対象とする「懸念国(中国)」に関連するソフトウェアを搭載しているとみなされたためです。
Q4. Polestar 3は米国製なのに規制対象になるの?
A. はい。Polestar 3はサウスカロライナ州の工場で製造されていますが、今回の規制はソフトウェアの出所に基づくものです。製造国ではなくソフトウェアの出所が判断基準となります。
まとめ:押さえておくべき重要ポイント#
- PolestarはConnected Vehicle Ruleにより、2027年モデル以降の米国販売が禁止された。
- 規制対象はソフトウェアの出所。 Bluetooth・Wi-Fi・セルラー・衛星通信など、外部接続に関わるすべてのコンポーネントが対象。
- 既存オーナーへの影響は限定的。 サポート・保証・サービスは継続される。
- 同じGeely傘下でも、VolvoはPolestarとは異なり販売継続が認められた。
- Polestarは欧州・東南アジア・東欧・ラテンアメリカ・カナダへの注力を強化する方針だ。
EV市場と国際的な規制の動向は、今後も急速に変化する可能性があります。 最新情報は元記事を継続的にチェックすることをおすすめします。



