
Polestarが米国から撤退——あなたのクルマはどうなる?#
つい最近PolestarのEVを購入・リースしたオーナーが、突然の撤退発表に直面している。 保証は守られるのか、サービスは受けられるのか——気になっている方も多いはずだ。
この記事でわかること:
- Polestarが米国撤退を決定した背景と理由
- 既存オーナーの保証・サービスへの影響
- 販売店が抱える法的・経営上の課題
- Polestar社の公式コメントと現時点での対応状況
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この記事を読むことで、Polestar米国撤退の全体像と、オーナー・販売店それぞれが直面するリスクを整理できる。
【結論】今すぐ押さえたい重要ポイント3つ#
Polestarは2027年モデルイヤーから米国での新車販売を停止する。 中国製コネクテッドカーソフトウェアを禁じる連邦規制への対応が理由だ。
既存の保証は引き続き有効とPolestarは明言している。 ただし、サービスセンターの閉鎖が相次いだ場合、実際にサービスを受けられるかは不透明な部分がある。
販売店は新車販売なしで保証修理・リース返却対応を続ける義務を負う。 経営的な負担が重く、閉鎖に追い込まれる販売店が増える可能性が業界内で懸念されている。
詳細は以下の各セクションで解説する。
Polestarとは?米国撤退の背景#
Polestarはスウェーデンに本社を置くEVブランドだ。 ただし、中国の自動車大手Geely(吉利汽車)が過半数の株式を保有している。
この「中国資本」という点が、今回の撤退の核心にある。
米連邦政府は、中国・ロシア・イランなど「懸念国」に由来するコネクテッドカーソフトウェア(車両の通信・制御に関わるソフトウェア)の搭載車を禁止するルールを導入した。 これはバイデン政権下で制定された規制だ。
Polestarはこの規制への対応として米国での販売継続許可申請を行ったが、連邦政府から認可を得られなかった。 その結果、2027年モデルイヤーからの米国新車販売停止を発表するに至った。
「これは私たちの問題ではない。政府によるものだ」(ニュージャージー州の販売店オーナー、Matthew Haiken氏)
同じGeely傘下のVolvoは商務省から米国販売継続の認可を受けており、この対応の差がオーナーたちの不満を一層強めている。
オーナーが直面する3つの懸念#
1. 資産価値の急落#
ワシントン州在住の発明家・コンテンツクリエイターであるDL Byron氏は、 撤退発表のわずか数日前に認定中古のPolestar 2を購入したという。
同氏はThe Vergeに対し、次のように語った。
「突然の市場価値の喪失に対して補償もなく、私たちが損を負わされている感覚だ。我々はもっと良い扱いを受けるべきだ。」
現時点でEVの減価(資産価値の下落)は業界全体で過去最高水準にある。 販売終了が決まったブランドの車両は、さらに大きな影響を受けることが懸念されている。
2. 保証・サービスの継続性#
Polestarは公式に「既存の保証はすべて有効であり、現在と同等のサービス・サポートを継続する」と声明を出している。
しかし現実には、Redditユーザーからはサンフランシスコとサンノゼのサービスセンターが閉鎖プロセスに入っているという報告が上がっており、次に近いサービス拠点まで300マイル(約480km)以上移動しなければならないケースも出てきている。
Polestarによると、米国内には現在32のサービスセンターがあり、その多くはVolvoの販売店と併設されているという。
3. ソフトウェアアップデートの行方#
コネクテッドカーとして、ソフトウェアアップデートが今後も提供されるかどうかもオーナーの関心事だ。 この点についての詳細は元記事を参照してほしい。
販売店が抱える深刻な経営課題#
ニュージャージー州ショートヒルズでPolestar販売店を経営するMatthew Haiken氏は、今回の事態を業界の「前例のない状況」と表現する。
過去の自動車メーカー撤退事例との違いを整理すると、以下のようになる。
| 比較軸 | 過去の事例(倒産等) | Polestarの今回の事例 |
|---|---|---|
| 撤退理由 | 経営破綻・販売不振 | 政府規制による強制的な販売停止 |
| フランチャイズ保護法の適用 | 通常は適用あり | 適用が不明確 |
| ブランド自体の存続 | 消滅するケースも | 他国では事業継続 |
Haiken氏が指摘するように、各州のフランチャイズ保護法(販売店が多額の投資をしていることを前提に、メーカーの一方的な撤退から販売店を守る法律)は通常、倒産や任意の市場撤退に対して適用される。
しかし今回は「政府規制による撤退」という前例のない形態であり、販売店側の法的保護が機能するかどうかが不透明な状況だ。
販売店は新車販売が終わっても、以下の義務を引き続き果たさなければならない。
- ニュージャージー州:8年間のバッテリー保証修理への対応
- カリフォルニア州:10年・15万マイル(約24万km)のバッテリー保証修理への対応
- リース車両の返却受付:返却された車両を買い取り、中古市場で再販する必要がある
新車を売れない状態で、これらの義務だけが残るのは経営上の大きな負担だ。 Haiken氏は「販売店の多くが規模縮小や閉鎖に追い込まれるだろう」と予測している。
一方でHaiken氏は、最近発表された**Polestar 3とPolestar 4の大幅値引き(最大25,000ドル引き)**を受けて、販売店に駆け込み需要が発生することにも期待を示している。
Polestar社の公式対応と現状#
Polestarの広報担当Michael Ofiara氏は、The Vergeに対して次のように述べている。
「既存のPolestarオーナーおよびリース顧客は、今日と同等のサポートとサービスへのアクセスを引き続き受けることができる。既存の保証はすべて有効であり、その条件に従って引き続き履行される。」
また同社は「2026年第1四半期の小売販売量の94%は米国外の市場から生まれている」と述べており、事業の中心がすでに海外に移っていることを示している。 (ただし、一部の米国販売店はこの数字に異議を唱えているという。)
同社は小売パートナーと連携して移行を管理していると説明しているが、Haiken氏のように「まだ何も確かなことはわからない」と不安を抱える関係者も多い。
EV市場全体への影響#
今回のPolestar撤退は、EV業界全体が逆風にさらされている中で起きている。
- 2026年第2四半期の米国EV販売台数は前年同期比22%減
- 政策の変動に対応しながら、各メーカーが低価格・高収益のEV開発にシフトしようとしている
過去にはFiskerというEVブランドが経営破綻し、オーナーがサービスも部品も受けられない状態に陥った事例がある。 Polestarは他国では事業を継続するため、同じ状況にはならないと見られるが、サービス網の縮小というリスクは現実のものとなりつつある。
それでもHaiken氏は、EVそのものの将来には強い確信を持っている。
「EVは、走行感、瞬時のトルク、生涯コストの低さという点で優れた技術だ。最終的には必ず勝つと確信している。」
まとめ:Polestarオーナー・販売店が今知るべきこと#
- Polestarは2027年モデルイヤーから米国での新車販売を停止する
- 撤退の直接原因は中国製コネクテッドカーソフトウェアを禁じる米連邦規制
- 既存保証は有効とPolestarは明言しているが、サービスセンターの存続は不透明
- 販売店は新車販売なしで保証修理・リース対応を数年間継続する義務がある
- 一部サービスセンターの閉鎖が報告されており、サービス網の縮小が懸念される
- EVの減価が進む中、既存オーナーの資産価値への影響も懸念事項だ
今後の動向については、Polestar公式の発表と各販売店の対応を注視していく必要がある。 詳細は元記事(The Verge)を参照してほしい。
出典:Andrew J. Hawkins, “Polestar owners left ‘holding the bag’ after EV brand pulls out of the US,” The Verge, July 10, 2026. https://www.theverge.com/transportation/963399/polestar-owners-ban-dealers-service-warranty-lease





