
Xがアルゴリズムを静かに調整——返信欄を「戦場」から「交流の場」へ#
Xは2026年7月13日、プラットフォームのアルゴリズムに「調整(tweak)」を加え、ユーザーの「相互フォロワー(mutuals)」——つまり自分がフォローしており、かつ自分をフォローし返している相手——の投稿がより見えやすくなるよう変更を実施した。
何が変わったのか?#
Xのプロダクト責任者であるNikita Bier氏は、今回の変更の背景を次のように説明した。「このデータがアルゴリズムから欠落していたことに気づいた。その結果、友人の投稿が返信欄に表示されにくくなり、見知らぬ人ばかりが集まる『バトルフィールド』のような雰囲気になっていた」というものだ。
具体的には、相互フォロー関係にあるユーザーの投稿・返信がフィードや返信セクションで優先的に表示されるようアルゴリズムが修正されたとのこと。Bier氏はさらに、この変更が「興味関心を共有するクラスター(グループ)の形成をより容易にする効果もある」と述べており、これは多くのユーザーから要望が寄せられていた機能改善でもあると説明している。
なぜこのニュースが重要なのか?#
① 返信欄の「雰囲気」が変わる可能性#
Xの返信欄はしばしば、互いを知らないユーザーが感情的な言葉をぶつけ合う場所として認識されてきた。今回の変更は、その体験を大きく刷新するほどの変革ではないとも指摘されているが、プラットフォーム全体を「バラバラな声が飛び交うデジタルの虚空」ではなく、「コミュニティ」として感じさせる方向へ少しずつ近づけるものとされている。
② 「クリエイター重視」の一連の動きの一部#
今回の調整は、Xが最近実施している一連の変更と方向性を同じくしている。ソース記事によると、Xは今年に入ってから、単なるコンテンツの転載・集約ではなくオリジナルコンテンツを促進するための報酬制度の変更を行っており、今月初めにはユーザーがプラットフォーム上で動画編集を行いやすくするためのビデオエディター機能も導入している。今回のアルゴリズム調整もその流れの中に位置づけられる。
③ ライバル「Threads」との競争という文脈#
ソース記事は、今回の変更がMeta傘下のThreadsによるアルゴリズム改善の動向と並行して起きていることにも触れている。Threadsは先月、ユーザーが自分のフィードに表示されるコンテンツをプライベートにコントロールできる「Your Algo」機能をリリールし、月間アクティブユーザー数が5億人に達したと報じられている。Threadsが「コミュニティ形成」を差別化ポイントとして打ち出す中、Xも同様の方向へ舵を切った格好だ。
まとめ#
Xが今回行ったアルゴリズムの「調整」は、技術的には小さな修正にとどまるかもしれないが、ユーザー体験の観点では「誰と話しているか」という感覚に直接影響する変更だ。相互フォロワーの投稿が優先されることで、返信欄がより身近な交流の場になることが期待される。また、興味関心によるコミュニティ形成の促進という側面は、Xがコンテンツクリエイターを引き込もうとする戦略とも一致している。
筆者の見解: 今回の変更単体がXの体験を劇的に変えるかどうかは未知数だが、報酬制度の見直し・ビデオエディター導入・アルゴリズム調整という一連の流れを見ると、Xがプラットフォームの「質」と「クリエイター定着率」の両面を意識した改善を継続していることは明らかだ。Threadsとの競争がこうした改善を加速させているという構図は、ユーザーにとっては好ましい展開と言えるだろう。
出典: X just tweaked its algorithm to make it more friendly, less battleground (TechCrunch, 2026年7月13日)




