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AI監視の遠隔試験が大失敗、5.8万人が再受験へ

·4 分
著者
Alicia
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AI監視の遠隔入試、深刻な不正疑惑で5万8千人に再試験命令
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メキシコ最大の大学であるUNAM(国立自治大学)が初めて全面的な遠隔方式で実施した入学試験が、深刻な不正疑惑によって崩壊した。約16万人の受験者を対象にした試験の結果があまりにも過去の傾向と乖離していたため、最終的に約5万8千人が対面形式での再試験を受けることになった。


何が起きたのか:急増した高得点者
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問題の試験は2026年5月下旬から6月上旬にかけて実施された。120問の多肢選択式試験で、2021年から2025年にかけて100点以上を獲得した受験者は全体の3.5%にとどまっていた。ところが今年は、その割合が**16.3%**にまで跳ね上がった。

特に高得点帯ではさらに顕著な異常が見られた。110点以上の得点者は過去には0.9%だったが、今年は**5.5%**に達した。この急激な変化が不正行為の広範な実施を疑わせる根拠となり、UNAMは専門家委員会を設置して調査を開始した。


導入されていたAI監視システムの仕組み
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UNAMは試験の公正性を担保するため、複数の技術的手段を組み合わせていた。

  • LockDown Browser(Respondus社製): 試験開始後、受験者は印刷・コピー・他サイトへのアクセス・他アプリの起動などを一切行えなくなるセキュリティブラウザ。Web检索やインスタントメッセージも遮断される仕組み。
  • Territorium社のAIプロクタリングシステム: 受験者のウェブカメラ映像をAIアルゴリズムでリアルタイム監視し、なりすまし・スマートフォンやイヤフォンの使用・フレームからの離脱などを検出する。
  • 人間の監督官: 150人の受験者につき1人の割合で配置され、AIシステムからのアラートを受け取り、必要に応じてUNAN当局に報告する体制が整えられていた。

しかしこれらの対策は十分に機能しなかった。UNAMが不正行為として無効とした試験は全体のわずか約2%にすぎず、大学自体も「かなりの数の受験者が試験中に何らかの助けを受けた可能性がある」と認めている。


不正の手口:テクノロジーを逆用した受験生たち
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ニューヨーク・タイムズの報道によれば、試験実施前からカンニングの手口がオンライン上で広く出回っていたという。具体的には、ウェブカメラのフレーム外にモニターを設置してChatGPTなどのAIモデルにアクセスする方法、髪の毛でイヤフォンを隠す方法、カメラの前に別人を座らせて試験を受けさせる方法などが共有されていた。

また、今回の試験が多肢選択式であったことも調査を困難にしている要因の一つだ。記述式試験であれば、AIが生成した文章がそのまま貼り付けられるといった典型的な不正の痕跡を発見しやすいが、多肢選択式ではそうした分析が難しい。カンニングペーパーや問題の事前漏洩といった従来型の不正行為が行われた可能性も排除できないと報じられている。

AI専門家のRaul Rojas氏はNPRの取材に対し、統計モデリングの結果として「オンライン試験において受験者のほぼ半数が不正行為を行っていた可能性がある」と述べている。


今後の対応:5万8千人への影響
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専門家委員会の勧告を受け、UNAMは「コントロール試験」と呼ばれる対面式の再試験を実施することを決定した。この再試験の対象は、今年の試験で合格枠を得た受験者だけにとどまらない。2021年以降、各学部の合格基準スコアをクリアしていたすべての受験者が対象となり、約5万8千人が影響を受ける見込みだ。UNAMへの入学資格は、この再試験の結果に基づいて改めて判断される。

UNAMの学長は、不正行為に関与していない誠実な受験者が再試験を強いられることに対し、公式に謝罪した。一方で、再試験は「アクセスの公平性と確実性を保証するために必要」だとも述べている。なお、授業は8月10日に開始予定であり、再試験の詳細については早急に発表される見通しだ(大学が授業開始を延期しない限り、スケジュールは非常にタイトになる)。


まとめ
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AI監視技術と専用ブラウザを組み合わせた最新のプロクタリングシステムであっても、高度化する受験者の不正行為を完全には防げなかったという事実は、遠隔試験の信頼性に根本的な問いを投げかける。統計上の異常が明らかになったことで、最終的にはアナログな解決策—対面試験と人間の監督官—に立ち返ることになった点は注目に値する。

筆者の見解: 今回の事例は、試験という高いステークスが伴う場面において、AIによる監視が現時点では不正抑止力として十分な信頼性を持ち得ていないことを示す重要なケーススタディとなった。技術の限界とその社会的影響について、引き続き注視していく必要がある。


出典: An AI-supervised remote exam went so badly that 58,000 students must retake it

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