
米議会でもっとも使われているAIツールはChatGPT#
CNBCの報道をもとにTechCrunchが伝えたところによると、米議会における支出ベースのAIツール利用において、OpenAIのChatGPTが圧倒的な首位を占めていることが明らかになった。下院の支出記録から得られたこの知見は、政府機関におけるAI活用の実態を浮き彫りにしている。
数字で見る議会のAI支出実態#
2025年4月1日から2026年3月31日までの1年間に集計された下院の支出記録によると、下院のオフィス・委員会・機関アカウントによるAIツールへの総支出は少なくとも113,740ドルに上る。
その内訳は以下のとおりだ。
| ツール | 支出額 | トランザクション数 |
|---|---|---|
| ChatGPT(OpenAI) | 約100,580ドル | 798件 |
| Claude(Anthropic) | 13,160ドル | 37件 |
OpenAIのChatGPTが全体の支出の約**90%**を占めており、2位のAnthropicのClaudeとの差は歴然としている。トランザクション件数においても、ChatGPTの798件に対してClaudeは37件と、利用頻度の面でも大きな開きがある。
党派別の支出傾向#
党派別に見ると、民主党系オフィスによるAI購入額は54,165ドルで、共和党系オフィスの15,782ドルの約3倍に達している。この差異が何を意味するかについては、ソース記事では特に言及されていないため、詳細は元記事を参照されたい。
調査対象外の利用も存在#
今回のデータには重要な留意点がある。無料アカウントによる利用や、より広範なソフトウェア契約にバンドルされた形でのAI利用は集計対象外となっている。つまり、実際の議会内でのAI活用規模はこの数字を上回る可能性を示唆しているが、具体的な推計についてはソースに記載がないため、詳細は元記事を参照されたい。
議会スタッフはどのようにAIを使っているのか#
ソース記事によれば、議会スタッフはChatGPTをはじめとするAIツールを以下のような多岐にわたる業務に活用しているとされる。
- メモの作成
- 法案の要約・分析
- 選挙区の有権者への返答対応
- 公聴会資料の準備
- 政策リサーチの整理
- ソーシャルメディア投稿の下書き
立法活動の根幹となる業務から広報的な業務まで、幅広くAIが組み込まれていることがわかる。
なぜこのニュースが重要なのか#
このデータが注目される理由は大きく2点ある。
第1に、政府機関における商用AIの本格的な定着を示している点だ。 支出記録という客観的なデータが、AIツールの利用が一部の先進的なスタッフにとどまらず、組織的・継続的な支出を伴う形で根付いていることを裏付けている。
第2に、OpenAIの市場における圧倒的な地位が政府セクターにも反映されている点だ。 支出シェア約90%という数字は、一般ユーザー向け市場での認知度がそのまま政府調達にも波及していることを示唆している。一方でAnthropicのClaudeが2位につけており、競合の存在も確認されている。
まとめ#
米議会の下院における1年間のAIツール支出記録を分析すると、ChatGPTが支出の約90%を占め、法案分析から有権者対応、ソーシャルメディア運用に至るまで幅広い業務に活用されていることが確認された。2位はAnthropicのClaudeで、両社が議会向けAI市場を分け合っている構図となっている。なお、今回の集計は有料アカウントに限定されており、無料利用やバンドル契約を含めた全体像については別途確認が必要だ。
筆者の見解: 立法府という社会の意思決定の中枢でAIが日常的な業務ツールとして定着しつつあるという事実は、AI産業全体にとって一つの転換点を示すものだと感じる。今後、政府のAI調達がどのように変化していくかは引き続き注目していきたい。
出典: Congress’s favorite AI tool? ChatGPT (TechCrunch, Rebecca Bellan, 2026年8月3日)




