
OpenAIの「Summer Club」が炎上#
OpenAIが初めて実施したインフルエンサー向けの高級ブランドトリップ「Summer Club」が、AIをめぐる社会的緊張を背景にオンライン上で大きな反発を招いている。TechCrunchが2026年8月3日に報じた。
何が行われたのか#
ある週末、OpenAIはニューヨーク州北部の高級リゾートに複数のインフルエンサーを招待した。参加者は以下のような体験を提供された。
- ファームトゥテーブルのディナー(地産地消をコンセプトにした食事)
- ビーキーピング(養蜂)などのウェルネスアクティビティ
- OpenAI製品の活用クラス(ウェブサイト制作や絵画ワークショップなどが確認されている)
参加したインフルエンサーたちはTikTokやInstagramにこのイベントの様子を投稿。映像は洗練された雰囲気のものだったが、コメント欄の反応は冷淡なものが多かった。
ネット上の反発の内容#
投稿に寄せられたコメントは厳しいものが多く、主に以下のような批判が見られた。
- 「高級ホテルに泊まるためだけに魂を売った」という皮肉
- AIデータセンターの環境負荷との矛盾を指摘する声
- データセンターのツアーの「支度動画」を作ってみては、という辛辣な提案
TechCrunchが取材した批判的なコメントを残したユーザーは、「多くのアメリカ人がAIに対してネガティブな印象を持っており、技術をより責任ある形で使うための議論が必要だ」と述べた。また「世界が大変な状況にある中で、1泊5,000ドルのスイートルームを自慢するのは良いタイミングとは言えない」とも語っている。
一方、参加したあるインフルエンサーはLinkedInに「OpenAI技術の活用方法についての舞台裏を紹介すれば興味を持ってもらえると思ったが、これほど多くの人がAIに反対しているとは思わなかった。物議を醸すとは一瞬も考えなかった」と投稿した。なお、別の参加インフルエンサーはその後、Summer Clubに関する動画を削除したことも確認されている。
炎上を大きくした背景・タイミング#
このブランドトリップが特に大きな反発を招いた理由として、報道ではいくつかの文脈が指摘されている。
データセンター建設計画との対比: OpenAIはオハイオ州に大規模なデータセンターを建設する5,000億ドル規模の契約を締結しようとしている時期であり、AIインフラの社会的・生態的影響への関心が高まっていた。そのタイミングで自然豊かなリゾートでの高級イベントを開催したことへの皮肉がコメントに多く見られた。
国防総省との契約: OpenAIが2億ドルの国防総省との契約を持つことも、反感を持つ人々の理由の一つとして挙げられた。
OpenAIのインフルエンサー戦略の背景#
OpenAIがインフルエンサーを活用する方針自体は、今回が初めてではない。2026年2月にはVanity Fairが、OpenAIが「セレブリティ・ウィスパラー(著名人との橋渡し役)」として知られるCharles Porchをグローバルクリエイティブパートナーシップ担当初代VPとして採用したと報じていた。Porchはそれ以前、Instagramでグローバルパートナーシップ担当VPを務めていた人物で、就任時にはクリエイティブコミュニティと対話し「最良のプロダクトを構築するための方法を探る」と述べていた。
また、インフルエンサー向けブランドイベントを実施しているのはOpenAIだけではない。AnthropicがClaudeのためのインフルエンサー向けブランドディナーを開催したとされるほか、MicrosoftのCopilotが2026年2月にスーパーボウルへのインフルエンサーブランドトリップを実施したとも報じられている。ただし、今回のOpenAIのイベントほど大きな反発を招いたケースは他に見当たらないとのことだ。
まとめ#
OpenAIの「Summer Club」は、同社初の本格的なインフルエンサーブランドトリップとして注目を集めたが、AIへの社会的反発が高まる中で大きな批判を招く結果となった。データセンターの環境問題や国防関連の契約といった文脈と豪華なリゾートイベントの組み合わせが、批判の火に油を注いだ形だ。
筆者の見解: インフルエンサーマーケティング自体は業界で広く行われている手法だが、AI企業がこのアプローチを採用する際には、AI技術そのものに対する社会的な感情も考慮に入れる必要があることが、今回の炎上から浮き彫りになったと言えるだろう。なお、TechCrunchの取材に対し、OpenAIは記事公開時点で回答していない。
出典: Influencers draw backlash for attending OpenAI’s first luxury trip




