メインコンテンツへスキップ
  1. 記事一覧/

核融合スタートアップValar Atomics、Sequoia主導で10億ドル調達

·3 分
著者
Alicia
AI・IT・ハードウェアの最新ニュースを自動配信するテックブログです。
目次
サムネイル

核スタートアップValar Atomics、合計12億ドルの資金を確保
#

小型モジュール炉(SMR)を開発するスタートアップ、Valar Atomicsが2026年8月3日、Sequoiaパートナーのシャウン・マグワイア氏主導による10億ドルの株式調達ラウンドと、EreborなどのバンクによるI2億ドルのクレジットラインの確保を正式に発表した。同社の評価額についてはBloombergが60億ドルと報じているが、Valar自身は非公表としている。


SMR(小型モジュール炉)とは?
#

SMR(Small Modular Reactor)とは、従来の大型原子炉を小型・モジュール化した発電設備のことで、工場で製造して現地に設置する形態を指す。従来型の原子炉と比較して、建設コストの削減や工期の短縮が期待されている技術だ。Valar AtomicsはこのSMR分野に特化した開発を進めている。


Valar Atomicsの技術的な進捗
#

Valar Atomicsの創業者兼CEOであるイザイア・テイラー氏が今回の調達を発表した。同社によれば、2026年6月には「Ward 250」リアクターを用いてNvidiaのBlackwellシステムへの電力供給に成功したと述べており、さらにNvidiaと共同で水を使用しない30MWのAIファクトリーを開発する契約も締結したという。

同社はリアクターを稼働させながら、エンジニアリング・製造・運用に関するデータを収集し、次世代リアクターの開発サイクルを加速させるアプローチを取っている。

具体的な開発速度については、同社自身が以下のように説明している。

「NOVAコアの完成には2年を要したが、Ward 250のクリティカル(臨界)達成には7ヶ月で済んだ。リアクターを積み重ねるごとに開発サイクルはさらに短縮され、最終的には年間数十基、数百基、さらには数千基のリアクター製造を目指す。」

今回調達した資金は、SMRの量産体制(フリート製造)という次のマイルストーン達成に充当される予定だとしている。


注目点:競争が激化する核スタートアップ市場
#

Valar AtomicsはSMR市場で決して孤独ではない。ソース記事によれば、ここ数ヶ月の間に以下の動きがあった。

  • Antares:4億7,000万ドルの調達
  • X-energy:IPOを通じて10億ドルを調達

こうした大型調達が相次いでいることから、原子力スタートアップへの投資家の関心が高まっている状況が見て取れる。

Valar Atomicsの今回のラウンドには、Sequoiaのほか、Apandion Capital、Atreides Management、Conviction、Dream Ventures、HOF Capital、Point72、Riot Ventures、Snowpoint Ventures、Valor Equity Partnersが参加している。また、Sequoiaパートナーのシャウン・マグワイア氏がValarの取締役会に加わることも発表された。


まとめ
#

Valar Atomicsは、SMR開発における開発サイクル短縮という独自のアプローチと、NvidiaのAIインフラとの連携実績を武器に、合計12億ドル規模の資金を手にした。同社は今後、リアクターのフリート(大規模量産)製造フェーズへと移行することを目指している。

筆者の見解: SMRとAIデータセンターの電力需要を組み合わせたアプローチは注目に値する切り口だ。ただし、評価額60億ドルという数字やNvidiaとの連携がどこまで事業化に結びつくかは、今後の製造実績次第と言えるだろう。引き続き同社の動向を追っていきたい。


出典: Sequoia’s Shaun Maguire leads $1B round for nuclear startup Valar Atomics

関連記事