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インドのUPI決済、ゼロ手数料モデルからの転換へ新法整備

·4 分
著者
Alicia
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インドの即時決済網「UPI」、ビジネスモデル刷新へ
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インド政府が、同国で広く普及している即時決済ネットワーク「UPI(Unified Payments Interface)」のビジネスモデルを根本から見直すための新たな法整備に着手した。この法律は、加盟店が一部のUPI取引に対して手数料を負担する仕組みを将来的に導入するための法的根拠を整えるものだ。


UPIとは何か、そして何が変わろうとしているのか
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UPIはインド政府が構築した即時決済ネットワークであり、運営はNPCI(National Payments Corporation of India)が担っている。NPCIのデータによれば、2026年7月だけで236億6,000万件、総額29兆8,800億ルピー(約3,134億ドル相当)という過去最高の取引を処理した。

この巨大なネットワークを支えてきたのが「ゼロMDR(加盟店割引率ゼロ)」制度だ。MDR(Merchant Discount Rate)とは、加盟店が決済を受け付ける際に支払う手数料のことを指す。インドは2020年1月にUPI取引に対するMDRをゼロとし、代わりに国家補助金によって決済ネットワークの運営・開発を支える体制を採用してきた。普及拡大を最優先するための施策であった。

しかし今回整備された法律は、このゼロMDR体制を将来的に見直すための法的根拠を提供するものだ。ただし、この法律自体が具体的な手数料を定めたり、対象となる取引を特定したりするものではない点には注意が必要であり、詳細は今後別途規定される予定となっている。


なぜ今、制度見直しが必要なのか
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財務省・中央銀行・決済企業の間では、急成長するネットワークの財源確保をめぐって長年にわたる議論が続いてきた。銀行やフィンテック企業は、取引量の増大やインフラコストの上昇に伴い、加盟店への無償提供モデルを維持することが困難になってきたと主張してきた。

フィンテック企業Pine LabsのCEOであるAmrish Rau氏は、この動きを歓迎するコメントをX上に投稿し、「UPIの普及率を90%に引き上げ、グローバル展開を実現するためには、スタートアップ・フィンテック・銀行がITや技術革新、サイバーセキュリティへの継続的な投資を通じて拡大を支えていく必要がある」と述べた。同氏はまた、消費者間および個人間の送金を無料に保ちつつ、加盟店からの収益でそのコストの一部を回収できる仕組みを整えることが、UPIの持続可能な運営につながると語っている。


市場への影響と注目ポイント
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潜在的な収益規模

証券会社ジェフリーズが公表したレポートによれば、高額取引に限定してMDRを導入した場合、2028会計年度までに年間500億〜1,000億ルピー(約5億2,500万〜10億5,000万ドル)の追加収益が業界全体で生まれる可能性があるとされる(15〜30ベーシスポイントの手数料を想定した試算)。

大手加盟店への限定適用案

インドの経済紙「Economic Times」は先月、当局が手数料の対象をすべての取引ではなく大手加盟店に限定する案を検討していると報じた。証券会社バーンスタインのレポートでは、このアプローチについて「UPIの消費者フレンドリーなモデルを維持しつつ、銀行や決済企業に新たな収益源を創出する」ものと評価した。同レポートはまた、2,000ルピー(約21ドル)を超える取引は取引件数全体の約4%に過ぎないが、取引金額ベースでは約70%を占めると指摘している。

市場を支配する2社の動向

NPCIのデータによれば、WalmartグループのPhonePeとAlphabetのGoogle Payの2社が、UPI取引量の合計で約80%を占めている。ただし、加盟店手数料が導入された場合に各社がどの程度恩恵を受けるかは、銀行・決済アプリ・その他の生態系参加者間での収益配分の仕組み次第となる。

国際的な影響

UPIはすでにシンガポール、アラブ首長国連邦、フランスでも利用可能となっており、今回の法整備はこれらの国々からも注目されることになる。


まとめ
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今回の法整備は、インドの即時決済インフラであるUPIが「普及最優先のゼロコストモデル」から「持続可能なビジネスモデル」へと段階的に移行するための第一歩となる可能性がある。法律そのものは手数料の具体的な内容を定めておらず、詳細は今後の規定に委ねられているが、市場関係者はその影響を注視している。

筆者の見解: 取引件数の4%に過ぎない高額取引が金額ベースで70%を占めるというデータは、消費者・中小事業者への影響を最小化しつつ収益化を実現するうえで重要な根拠となっている。今後の制度設計の細部が、インドの決済エコシステム全体の行方を左右することになるだろう。


出典: India moves to give its instant payments network a business model

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