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火星初の自動運転ローバー、パーサヴィアランスが驚異の距離記録を更新

·4 分
著者
Alicia
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火星で「自動運転」が歴史を塗り替える
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NASAの火星探査ローバー「パーサヴィアランス」が、他の天体における走行距離の記録を更新しようとしている。来週中にも45.16km(約28.06マイル)を超える走行距離を達成し、かつて記録を持っていた「オポチュニティ」ローバーを抜き去る見込みだ。この快挙を支えているのは、まさに地球上の自動運転車を連想させる高度な自律ナビゲーション技術である。


自律ナビゲーションが記録更新の鍵
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パーサヴィアランスは2021年2月に火星に着陸した、自動車サイズのローバーだ。NASAジェット推進研究所(JPL)のプロジェクトマネージャーであるスティーブン・リー氏によると、「記録を可能にした真の技術は自律ナビゲーションシステムだ」という。

パーサヴィアランスには高性能な車載カメラが搭載されており、周辺地形を撮影した画像を車載コンピューターがアルゴリズムで処理し、最も安全なルートを算出する仕組みだ。地球上の自動運転車には地図やレーン、標識といった利点があるが、火星には巨大な岩や砂の斜面といった障害物が多数存在する。一方で、他の車両や交通渋滞がない点はパーサヴィアランスに有利な条件だ。

パーサヴィアランスの走行のうち、実に約90%が自律走行によるものだという。これを実現しているのが「ビジョン・コンピュート・エレメント」と呼ばれる処理ユニットで、車輪が回転している最中にリアルタイムでセンシングと計算処理を行うことができる。最高速度は時速約150メートルと決して速くはないが、地球からの指令を待つための停止時間を大幅に削減できるため、効率的な探査が可能となっている。


前世代ローバー「キュリオシティ」との比較
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パーサヴィアランスの9年前に打ち上げられた「キュリオシティ」は、撮像能力とアルゴリズムの面では類似した構成を持つ。しかしリー氏によると、キュリオシティの車載コンピューターは一世代古く、チップセットの一部は1990年代のものにさかのぼるという。その結果、処理能力の制約から自律走行の割合はわずか**約10%**にとどまっており、火星での15年近くの活動期間で走行した距離は38.6kmだ。

パーサヴィアランスはキュリオシティの約3分の1の期間で、その走行距離を上回ろうとしている。自律走行技術の差が、探査効率に大きな開きをもたらしていることがわかる。


科学探査への貢献
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ミッションの副主任研究者であるヴィヴィアン・サン氏は「走行能力が特に、過去のミッションよりも広い範囲を探査することを可能にした」と述べている。

パーサヴィアランスが着陸したジェゼロ・クレーターでは、科学的な調査対象が広範囲に分散している。自律走行により次の目的地へ素早く移動できるため、計画より早く新しい調査地点に到達するケースも多いという。

このクレーターでは、太陽系で最も古い岩石の一部——地球上のどの岩石よりも古い、約40億年前のものとされる——が探査されている。当時の火星は、内惑星に大量の岩石が飛び交う「後期重爆撃期」の末期にあたり、大規模な湖や場合によっては海が存在していた可能性があると考えられている。パーサヴィアランスはこの古代の地形を直接調査することで、当時の地質・環境条件や、生命が存在しうる環境だったかどうかの解明に貢献している。


耐久性と今後の展望
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走行を支える車輪についても改良が施されている。キュリオシティでは数年後に車輪の摩耗が問題化したため、パーサヴィアランスでは車輪が再設計された。現時点では目立った摩耗は確認されていないとリー氏は述べている。

唯一の懸念点として挙げられているのが、車輪のアクチュエーター(駆動部品)だ。当初は走行距離20kmを想定してテストされていたが、現在NASAは少なくとも100km、あるいはそれ以上の走行に向けた認定作業を進めている。パーサヴィアランスはRTG(放射性同位体熱電発電機)で駆動しており、推進剤や消耗品、潤滑剤を一切搭載していないため、リー氏はこのローバーが今後も長年にわたり火星を走り続けられる可能性があると述べている。


まとめ
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パーサヴィアランスの記録更新は、単なる走行距離の話ではない。自律ナビゲーション技術が火星探査の効率と科学的成果を劇的に向上させることを実証した、歴史的な事例といえる。地球からの指令待ちによるタイムロスを最小化し、90%を自律走行でこなすというアプローチは、今後の惑星探査ミッションの設計思想に大きな影響を与えるだろう。

筆者の見解: 自動運転技術が地球の公道だけでなく、4億km以上離れた惑星の荒野で実用的な成果を上げているという事実は、AI・自律制御技術の応用可能性の広がりを改めて実感させてくれる。次世代の火星探査機がどのような自律技術を搭載してくるか、今から注目したい。


出典: The first self-driving vehicle on Mars has proven to be a smashing success

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