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AI学習のために稀少本が破壊されている?古書店が警戒

·5 分
著者
Alicia
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AI訓練のための書籍破壊問題が深刻化
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AI企業が大量の書籍を購入し、スキャン後に廃棄しているという疑惑が書籍業界に大きな波紋を広げている。2025年夏の訴訟でAnthropicが印刷書籍を数百万冊単位で破壊してAIモデルを訓練していたことが明らかになって以降、古書店や書籍愛好家たちの間で危機感が高まっている。


なぜ書籍を「破壊」してスキャンするのか
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AI企業が書籍の背表紙を切り落とし、ページをバラバラにしてスキャンする理由は、コストと速度にある。この方法が最も安く、最も速く大量の書籍をデジタル化できるからだ。AI企業は質の高い長文テキストを大量に必要としており、書籍はそのニーズを満たす重要なデータ源となっている。

Googleは2009年に書籍を破壊せずにスキャンできる技術を特許取得しているが、ページの湾曲によるテキストの歪みや、作業者が素早く動いた際のミスが発生するという課題も指摘されている。AI企業にとって、コストと速度の面での折り合いがつきにくいのが現状だ。


Internet Archiveが実践する「丁寧なスキャン」
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一方で、書籍を傷つけずにデジタル化する手法を長年実践してきた組織がある。非営利のデジタル図書館「Internet Archive」だ。

同組織で2010年からスキャン担当として働くEliza Zhangは、稀少本や脆弱な古書を1ページずつ手作業でスキャンするプロセスを詳しく紹介している(2021年の投稿より)。具体的には、足元のペダルでスキャナーのガラスを持ち上げ、カメラの位置を調整しながら1ページずつ丁寧に確認する。折り込みページや付録も見逃さないよう、リマインダーを設定して別途スキャンするという細心の注意が払われている。

Internet Archiveのライブラリーサービス担当ディレクターのChris Freelandは、Ars Technicaの取材に対し、この投稿が「現在のスキャンプロセスを説明する最良のドキュメントだ」とコメントしている。

Internet Archiveは過去に真空式ページめくりアームを搭載した自動スキャナーも試したが、脆弱な書籍や稀少本には適していないと判断し、手作業による方法に戻した経緯がある。Andria Millsというスキャン作業を統括する担当者は「清潔で乾いた人の手が、ページをめくる最善の方法」と述べている。

Zhangはこれまでに300万ページ以上、1万4000点以上の折り込み、1万8000点以上のアイテム(主に書籍)をスキャンし、エラーをゼロに近づけることを目標にしているという。このスキャン動画はかつてTwitterで150万回以上再生され、「私たちは本を破壊しない。1ページずつ、丁寧にデジタル化する」というメッセージが大きな反響を呼んだ。


古書店が「不審な一括注文」に警戒
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書籍業界では、AI企業と見られる購入者からの大量注文に対する警戒が高まっている。アイルランドの書店「Kennys」は、5000冊もの難解なタイトルを一括で発注する「異常な」注文を受けたとアイリッシュ・タイムズに明かした。この注文が疑わしい理由の一つとして、購入者が一切値引き交渉をしなかった点が挙げられており、これがAI関連の注文であることを示す「明らかな危険信号」とみなされるようになっているという。

Kennys BookshopのTomás Kenny氏は「AIは我々の業界を脅かしている」と語り、著者の権利と読者の希少本へのアクセスを守るため、AI訓練目的と思われる注文は断る方針を示した。

一方で、全てのAI企業が破壊的なスキャンを行っているわけではない。OpenAIとMicrosoftはハーバード大学の図書館員と協力し、15世紀まで遡る約100万冊のパブリックドメイン書籍をAIモデルの訓練に活用するプロジェクトを進めている。また、Elon MuskのxAIも稀少本については「背表紙を切らずに丁寧にスキャンする」とX上で公言している。ただし、Anthropicは「Project Panama」というコードネームで書籍スキャンプロジェクトの内容を秘匿しようとしていたことも報告されており、稀少本は破壊していないと否定しているものの、外部からの検証は難しい状況だ。


まとめ
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AI訓練データ確保のための書籍大量購入・破壊という問題は、単なる著作権侵害の枠を超え、人類の文化遺産である稀少本の永久的な損失につながりかねない深刻な課題として認識されつつある。Internet Archiveのような組織が実践する非破壊スキャン手法は技術的に存在するものの、コストと速度を優先するAI企業に広く採用されるかは不透明だ。

筆者の見解: AI業界全体として書籍の扱いに関する透明性の基準を設けることが急務であり、古書店や図書館、そして市民社会が連携して監視の目を向け続けることが、取り返しのつかない文化的損失を防ぐ鍵になるのではないだろうか。


出典: Booksellers suspect AI firms are buying and then destroying rare books

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