
OpenAIがPreparenessチームを解散#
Financial Times(FT)の報道によると、OpenAIは2026年7月末にリスク評価を専門とする「Preparednessチーム」を解散した。同チームはAIモデルが深刻なリスクをもたらす可能性を評価し、そのリスクを軽減するための手法を開発することを主な役割としていた。
Preparednessチームとは何をしていたのか#
Preparednessチームは、OpenAIが開発するAIモデルが社会や企業に対して重大な脅威をもたらすリスクがないかを事前に検査・評価するチームだ。たとえば、AIが自律的に「暴走」して他の企業をハッキングしてしまうといったシナリオへの備えを担っていた。
チームが解散された現在、こうしたリスク評価の責任は、バイオ(生物)やサイバー(情報セキュリティ)といった専門領域ごとに分割され、既存のチームへ移管される形になったとFTは伝えている。
また、Preparednessチームのトップを務めていたDylan Scandinaroは、今後「再帰的自己改善(Recursive Self-Improving)AI」の影響・含意の研究に専念するという。なお、同氏は2026年2月にAnthropicから引き抜かれたばかりだった。
相次ぐ安全チームの縮小と人材流出#
Preparednessチームの解散は、OpenAIにとって孤立した出来事ではない。同社はここ数年にわたり、安全性関連の組織を段階的に縮小してきた経緯がある。
具体的には、以下のチームや人材がすでに失われている(ソース記事に基づく):
- AGIレディネスチーム(解散済み)
- スーパーアライメントチーム(解散済み)
- 倫理責任者 Chloé Bakalar(退社)
- チーフ・フューチャリスト Josh Achiam(退社)
- 安全部門トップ Johannes Heidecke(退社)
こうした人材流出と組織縮小の背景には、同社が大規模なIPO(株式公開)に向けて動いていることがある。
批判の声:安全より「派手な製品」を優先?#
この一連の動きに対して、批判的な見方も出ている。2024年にOpenAIを辞職したJan Leikeは、FTの取材に対し「同社は安全性を軽視し、『派手な製品』の開発を優先している」と述べたと報じられている。
注目ポイント:なぜこのニュースが重要か#
AIの安全性評価は、特に高度なモデルが社会インフラや企業システムに深く組み込まれていく中で、ますます重要性を増している分野だ。
Preparednessチームのような専門組織が担っていた「横断的なリスク評価機能」が、個別領域に分散されることで、組織全体として包括的なリスク管理が機能するかどうかが焦点となる。
また、今回の解散が「AGIレディネスチーム」「スーパーアライメントチーム」に続く安全体制の縮小であるという点も見逃せない。IPO前に収益性・製品力を強調したい企業側の論理と、長期的な安全保証を求める研究者・批評家側の立場の対立が、組織再編という形で表面化している。
まとめ#
OpenAIがPreparednessチームを解散し、リスク評価機能を既存チームへ移管したことが明らかになった。倫理・安全担当の幹部が相次いで退社し、専門チームが次々と解散されるなか、IPOを控えた同社の安全体制の行方に注目が集まっている。
筆者の見解: 安全性評価の責任を既存チームへ分散させることが、実質的な安全保証の強化につながるのか、それとも形骸化につながるのかは現時点では判断できない。詳細は元記事を参照のうえ、今後の展開を注視していきたい。
出典: OpenAI reportedly disbanded its preparedness team(The Verge、Terrence O’Brien、2026年8月16日)


