
味の素、中国向けABFフィルム供給を30%削減と報道#
半導体パッケージング材料として不可欠な「ABF(Ajinomoto Build-up Film)」の中国向け供給が、製造元である味の素によって約30%削減されたと報じられています。この動きは、中国によるレアアース輸出規制への対抗措置として行われたとされており、半導体サプライチェーンに大きな注目が集まっています。
ABFとは何か?#
ABF(アジノモト・ビルドアップ・フィルム)とは、半導体チップのパッケージング工程において使用される絶縁フィルムです。現代の高性能プロセッサやデータセンター向けチップなど、先端半導体の製造において広く採用されている重要な素材であり、その供給動向は半導体業界全体に直結します。
このフィルムは、チップと基板の間を電気的に絶縁しながら多層配線を可能にするために使用されます(一般的な定義)。味の素はこの分野で高いシェアを持つサプライヤーとして知られています。
報道の概要#
Tom’s Hardwareが報じた内容によれば、味の素は中国向けのABFフィルム供給量を30%削減したとされています。この制限は、中国がレアアースの輸出規制を実施したことを背景として行われたと報じられています。
また、報道では中国国内においてABFの代替品を開発・認定しようとする動きが進んでいることも触れられています。中国国内のサプライヤーが代替素材の資格認定を急いでいる状況が示されており、中国側もこの供給制約に対応しようとしていることがうかがえます。
なぜこのニュースが重要なのか#
この報道が注目される理由は複数あります。
① 半導体サプライチェーンへの直接的影響 ABFは先端半導体パッケージングに不可欠な素材であり、その供給が制限されれば、中国国内における半導体製造・パッケージング工程に影響が及ぶ可能性があります。
② 技術・素材をめぐる地政学的対立の拡大 これまでの半導体を巡る米中対立では、製造装置や設計ソフトウェア(EDA)などが焦点となっていましたが、今回はパッケージング素材という川下の分野にまで緊張が波及していることが示されています。中国のレアアース輸出規制と、日本企業によるABF供給削減という構図は、素材・資源レベルでの相互依存関係が改めて問われるものです。
③ 中国の代替品開発競争が加速 ABFの国産代替品認定を急ぐ動きが報じられており、今後の中国国内における素材開発の行方も注目されます。ただし、代替品がどの程度の性能・品質を持つか、いつ実用化されるかについては、ソース記事では詳細が確認できません。
まとめ#
味の素による中国向けABFフィルムの30%削減という報道は、半導体サプライチェーンにおける素材レベルの地政学リスクを改めて浮き彫りにするものです。中国のレアアース輸出規制を背景にした動きとされており、双方の対抗措置が素材・資源分野にまで及んでいます。
中国国内では代替品の認定作業が進んでいるとされますが、その詳細については元記事をご確認ください。
筆者の見解: 半導体産業における「素材」の重要性は、製造装置や設計ツールと同様に戦略的な位置づけを持つことが改めて確認されるニュースです。ABFのような特定企業・特定国に依存する素材が地政学リスクの焦点となる流れは、今後も続く可能性が高いと筆者は考えます。





