
Apple、EU向けApp Store手数料を大幅刷新#
2026年8月18日、Appleは欧州連合(EU)内のアプリ手数料体系を抜本的に見直すと発表した。また、代替アプリストアを開設するための要件も緩和され、開発者にとって参入しやすい環境が整いつつある。
新手数料体系の詳細#
今回の改定における最大の変更点は、App Store外で配布されるアプリのデジタルコンテンツ取引に対して、一律5%の手数料を適用するという点だ。これまでの「インストール1件あたりのCore Technology Fee(コア技術料)」という従量課金モデルが廃止され、シンプルな定率制に切り替わる。
App内課金・外部決済の新レート#
主な手数料の変更点を整理すると以下のとおりとなる。
- App内課金(In-App Purchase): 従来の30%から**26%**に引き下げ
- App Store Small Business Program、Mini Apps Partner Program、Video Partner Programなどの特別プログラム対象者、および自動更新サブスクリプションの初年度以降: **15%**の割引レートを引き続き適用
- 外部決済処理を利用するアプリ: 20%の手数料(特別プログラム対象者は10%)
- App Store外またはウェブ経由で配布されるアプリ: デジタル商品の取引に対して**5%**の一律手数料
なお、開発者はAppleのApp内課金、外部決済、またはその組み合わせのいずれかを選択できるが、選択した決済方法は12ヶ月間変更できないと定められている。
外部リンクと未成年者保護に関するルール#
新ルールでは、アプリ内に外部リンクを設置することが認められる一方で、「子ども向け(Kids)」カテゴリのアプリについては安全上の理由から外部リンクの設置が禁止される。また、18歳未満のユーザーがApp Store外で購入を行う際には保護者の承認が必要となる。
代替アプリストア開設要件の緩和#
もう一つの注目点は、代替アプリマーケットプレイス(サードパーティ製アプリストア)の開設要件が緩和されたことだ。
従来のルールでは、代替アプリストアを運営するには以下のいずれかの条件を満たす必要があった。
- 十分な財務基盤を証明すること
- Appleのデベロッパプログラムに少なくとも2年間参加しており、かつ直近の暦年においてEU内での年間初回インストール数が100万件を超えるアプリを保有していること
新ルールでは、上記の条件は引き続き有効であるものの、必須条件ではなくなった。財務的な安定性を示す方法として、上場企業であること、財務監査の結果、適格なVC(ベンチャーキャピタル)からの資金調達など、複数の新たな選択肢が追加されている。
なぜこのニュースが重要なのか#
AppleとEUの規制当局は、EU競争法の一環として施行されたデジタル市場法(DMA: Digital Markets Act)をめぐり、長年にわたって対立してきた。Appleは昨年も手数料体系の見直しを行ったが、その複雑な構造が「悪意ある服従(malicious compliance)」と批判された。その後、EUはAppleに対して5億ユーロの制裁金を科し、さらなる罰則も示唆していた。
今回の改定は、こうした規制当局との摩擦を解消するためのAppleの最新の取り組みであり、よりシンプルで透明性の高い手数料体系への移行が図られている。
まとめ#
Appleは今回の改定により、EUにおけるApp Storeビジネス条件を大幅に簡素化し、代替アプリストアへの参入ハードルを下げた。新しい手数料体系の核心は「App Store外配布アプリへの一律5%手数料」への移行であり、App内課金や外部決済のレートもそれぞれ見直されている。未成年者保護ルールや決済手段の12ヶ月ロックインといった新たな制約も加わっており、開発者は自社の状況に応じて戦略の見直しが求められるだろう。
筆者の見解: 今回の変更は、従来の複雑な体系から一定の「わかりやすさ」を取り戻そうとする姿勢が見受けられる。ただし、EU規制当局がこの新体系をどう評価するかは、現時点ではソース記事からは確認できない。詳細は元記事を参照されたい。
出典: Apple overhauls its EU App Store fees, loosens rules for alternative app stores




