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軌道上データセンターのStarcloud、2.5億ドル調達・評価額23億ドルに

·5 分
著者
Alicia
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宇宙でAI推論を実行するStarcloud、累計4.2億ドル超の資金を確保
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軌道上でAIインファレンス(推論処理)を実行する衛星を開発するスタートアップ・Starcloudが、今年3月に完了した1.7億ドルのシリーズAラウンドに対し、さらに2.5億ドルの追加出資(エクステンション)を獲得したと発表した。この追加調達により、同社の企業評価額は23億ドルに達した。


調達資金の用途と開発中のプロジェクト
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今回調達した資金は主に2つの目的に充てられる。ひとつは、より大規模な製造施設の開設だ。現在同社は、SpaceXやAmazonが通信ネットワーク向けの衛星を製造するワシントン州ウッドインビル近郊の10万平方フィートの施設で生産ラインを整備中であり、同社の従業員数は現在25名で拡大中とのことだ。

もうひとつの用途は、同社の最大規模の軌道データセンター衛星「Starcloud-3」の開発推進だ。このStarcloud-3はSpaceXの次世代大型ロケット「Starship」で打ち上げることを想定している。

また、当面の計画としては、新世代の8kWコンピュート衛星(Starcloud-2)を2027年に相乗り(ライドシェア)フライトで2機打ち上げる予定であり、米国政府機関を含む顧客向けに軌道上インファレンスタスクを実行するとしている。さらに、より多くの衛星を打ち上げるためのFalcon 9専用打ち上げの購入や、他プロバイダーとの契約締結も検討している。


ロケット打ち上げ枠の逼迫という深刻な課題
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CEOのPhilip Johnston氏が今回の追加調達で特に強調したのが、打ち上げ輸送市場の逼迫問題だ。SpaceXの主力ロケット「Falcon 9」は2028年に退役が予定されており、後継機となるStarshipはいまだ実証段階にある。さらに、Blue OriginのNew GlockやULAのVulcanなどの競合ロケットも定期的な運用には至っておらず、Rocket LabのNeutronに至ってはまだ発射台にも立っていない状況だ。

Johnston氏はTechCrunchに対し「これから膨大な量の打ち上げ枠を確保しなければならないことが見えている」と述べており、Starshipとの契約締結を早期に進めたいと語っている。同氏は「打ち上げキャパシティの確保が今や最大のコスト要因のひとつだ」とも述べた。

なお、同社はすでにFCCに対して8万8,000機の衛星の運用許可を申請している。

また、同週にSpaceXのCEO・Elon Musk氏は、帰還するStarshipをアームで捕捉する試みを数カ月延期し、同機の初の再飛行を今年末か2027年初頭に試みると発表した。Johnston氏は「2029年にSpaceXの打ち上げ枠を確保できない場合、それは我々にとって大きな課題となる」と率直に語っている。


NvidiaとCiscoも出資——宇宙初のH100 GPUの運用実績が評価
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今回の資金調達ラウンドはManhattan West Venturesが主導し、NvidiaとCiscoも参加した。事情に詳しい関係者によると、Nvidiaは2,500万ドルを出資したという。その他の参加者にはBenchmark、EQT、Soma、NFX、776、Cedar Capital、Goanna Capital、Standard Capitalが含まれる。

Nvidiaが出資に至った背景には、Starcloudの技術的な先行優位性がある。同社は現在、軌道上でNvidia H100 GPU(本来は地上のデータセンター向けGPU)を実際に運用している唯一の企業(少なくとも現時点で確認されている限り)であり、それを用いたモデルトレーニングも世界初の事例とされる。多くの宇宙向けGPUがエッジ処理向けに設計されている中、Starcloudのアプローチは一線を画している。

さらに同社は、Nvidiaが宇宙向けに初めて開発する専用GPU「Vera Rubin Space-1チップ」の設計にも協力しており、Starcloud-1から得た運用データをNvidiaと共有しているという。このチップはまだ製造段階には入っていないが、Starcloudは2028年後半に軌道上への搭載を目指している。Johnston氏のエンジニアチームは、チップの動作温度と放熱用ラジエーターのサイズの関係、放射線シールドの配置、ロケット打ち上げ時の振動に耐えるための強化設計といった重要な設計課題を追跡中だ。


まとめ
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Starcloudは今回の2.5億ドル調達により、製造拠点の拡充、次世代衛星の開発、そして逼迫する打ち上げ枠の早期確保という三つの重要課題に対処しようとしている。評価額23億ドルへの到達と、NvidiaおよびCiscoという業界の重鎮からの出資獲得は、軌道上データセンターというコンセプトに対する市場の信頼が高まっていることを示す動きといえる。

筆者の見解: Starcloudのビジネスモデルは根本的にStarshipの成功に依存している。Johnston氏自身が「2029年に打ち上げ枠が確保できなければ課題となる」と認めている点は、事業リスクとして注視が必要だ。ロケット市場の不確実性が高い中での大型調達であり、今後の打ち上げスケジュールの動向が同社の成否を左右する大きな変数となるだろう。


出典: Starcloud raises $250 million for orbital data centers as launch options dry up

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