
LGスマートTVが「電源オフ」でも監視を継続していた#
YouTubeチャンネル「Gamers Nexus」が公開した調査報告によると、LGのスマートTVはオーナーの自宅に関するデータを、オフライン状態やスタンバイモード中でもほぼ常時記録・アップロードし続けていることが明らかになった。
何が行われていたのか?調査の詳細#
Gamers Nexusは、YouTubeチャンネル「Level1Techs」および独立した外部のセキュリティ研究者と共同で調査を実施。テスト対象は市販のLG OLEDテレビだった。
パケットキャプチャ(ネットワーク通信の記録・解析)による調査の結果、以下の動作が確認されたという。
1. 近隣デバイスのスキャン#
TVはローカルエリアネットワーク(LAN)をスキャンし、スマートフォンやスマートウォッチなど周囲のハードウェア情報を収集していた。さらに、位置情報データや近隣のWi-Fiネットワークの詳細も記録されており、これらの情報は「LG Ad Solutions」へと送信されていたと報告されている。
2. スタンバイ中の音声録音#
特に注目すべき点として、TVがスタンバイ(待機)状態にある間も、内蔵マイクを通じて音声が録音されていたことが判明した。さらに衝撃的なのは、インターネット接続が切断された状態でも録音が継続され、接続が復旧した際にオフラインで蓄積した音声ファイルがアップロードされていたという事実だ。
3. ACR(自動コンテンツ認識)による視聴内容の把握#
ACR(Automatic Content Recognition)とは、音声・映像データを解析してユーザーが実際に何を視聴しているかを特定する技術だ。LGのTVはこの技術を用いて、TV本体のスマートインターフェイスで使用するアプリだけでなく、HDMIなど外部ポート経由で接続したデバイスのコンテンツも監視していた。
なお、ACRはLGに限った問題ではないとも報告されており、テクノロジーレビューサイト「RTINGS」の新たな動画では、ほぼすべてのスマートTV メーカーがACRを活用して視聴データを収集していると解説されている。
なぜこのニュースが重要なのか#
今回の問題が特に深刻なのは、ユーザーが「オフラインにしているから安全」と判断していた状況でも監視が続いていた点だ。一般的に、プライバシーを守るためにスマートTVをインターネットに接続しないという対策を取るユーザーは少なくない。しかし今回の調査は、その対策すら十分ではない可能性を示唆している。
また、LGはGamers Nexusとの間に今回が初めての問題ではない。同チャンネルは2026年7月にも、一部のLGモニターが自動的にアプリをインストールし、デバイスデータの収集やLG製品・McAfeeアンチウイルスのポップアップ広告を表示していると指摘していた。その際は、チャンネルの公開による社会的圧力がMicrosoftの介入を促し、最終的にLGがポップアップ広告を無効化するという対応に至った経緯がある。
まとめ#
Gamers Nexusの調査は、スマートTVのプライバシーリスクが従来考えられていたよりも深刻である可能性を改めて提示した。Wi-Fiスキャン、スタンバイ中の音声録音、ACRによる視聴内容の把握という三層構造のデータ収集は、ユーザーの日常生活を広範囲にわたって監視できる環境を形成している。
筆者の見解: ACRがほぼ全メーカーに普及しているという指摘は、これがLG固有の問題ではなくスマートTV業界全体の構造的な課題であることを示しており、今後さらに各メーカーへの調査・規制の議論が広がることが期待される。スマートTVの購入・使用を検討する際は、プライバシー設定の確認を強くおすすめしたい。
詳細な調査内容については元記事を参照されたい。
出典: LG TVs caught spying even when offline or on standby - The Verge



