↓ メインコンテンツへスキップ
  1. 記事一覧/

WordPressの父、Mullenweg氏がAutomatticの休職を強制される

·5 分
著者
Alicia
AI・IT・ハードウェアの最新ニュースを自動配信するテックブログです。
目次
サムネイル

WordPressの父に突きつけられた「強制休職」
#

WordPress.comを擁する親会社Automatticの創業者兼CEO、Matt Mullenweg氏が取締役会の決議によって本人の意思に反する形で休職処分となった。TechCrunchが確認したSlackメッセージにより、この事実が明らかになった。


何が起きたのか
#

Mullenweg氏は全従業員が閲覧できるSlackチャンネルへ自ら投稿し、CFOのMark Davies氏が取締役のAnn Dunwoody氏、Toni Schneider氏、Sue Decker氏と結託し、有給の休職処分を可決したと告発した。Mullenweg氏自身はこの決議に反対票を投じたと明かしている。

さらに氏は、会議開始のわずか50分前に決議の内容を受け取り、独立した法律顧問による確認のための時間(数時間でも良いと述べていた)を繰り返し求めたにもかかわらず、拒否されたと訴えた。

一方、Automatticは公式のメール声明でこの休職を認め、Davies氏が暫定CEOとして会社を率いると発表。取締役会はDavies氏のリーダーシップと社内チームの実行力に全幅の信頼を置いているとしている。なお、Mullenweg氏は引き続き取締役会メンバーにとどまるとDavies氏が従業員へ伝えたことも確認されている。

オープンソースプロジェクトであるWordPress.orgの執行役員Mary Hubbard氏も、このMullenweg氏の地位変更をSlackを通じてコミュニティに報告した。ただしHubbard氏は、WordPress.orgへの影響はなく、Mullenweg氏は引き続きWordPressプロジェクトのリーダーであり、自身は変わらず執行役員を務めると強調した。


なぜ今なのか――背景にある混乱の歴史
#

Automatticは2003年にMullenweg氏が設立した企業で、WordPress.comのほかにもTumblr、WooCommerce、Pocket Castsといったブランドを傘下に持つ。同氏はWordPressというオープンソースのコンテンツ管理システムを共同開発したことでも知られる。

しかし近年、Mullenweg氏と会社は訴訟と論争に巻き込まれていた。主な経緯は以下の通りだ。

  • WP Engineとの法廷闘争: WordPressのウェブホスティング競合企業であるWP Engineに対し、Mullenweg氏はオープンソースプロジェクトへの貢献なしに利益を得ているとして、WordPressブランド使用のロイヤルティとして月次総収益の8%の支払いを要求した。WP Engineは2024年10月に名誉毀損と権力乱用を理由にAutomatticとMullenweg氏を提訴。Automatticもその後反訴を行った。さらに2025年2月には、Automatticがさらに10社の競合企業にロイヤルティ請求を行う意向があるとWP Engine側が主張した。
  • 従業員への退職勧告: 2024年、Mullenweg氏は方針に反対する従業員に対して退職金付きの退職を促した。実際に159名がこれに応じた。
  • コミュニティへの脅し: WordPressのフォーク(派生版)プロジェクトを主導しようとしたコミュニティメンバーに対し、Mullenweg氏はアカウントの無効化を示唆した。
  • 大規模レイオフ: 2025年4月、全スタッフの16%を削減。10年以上の在籍者も含む長期従業員が対象となった。

なぜ取締役会がこの時期に動いたのかは現時点では明らかになっていない。ある関係者は、Mullenweg氏が毎年参加するBurning Manフェスティバル(今年は9月7日に終了)との関係を示唆したが、これはあくまで推測の域を出ない。


社内の反応
#

このニュースに対する従業員の反応は一様ではない。TechCrunchの情報源によれば、「有頂天」や「安堵した」と表現する社員がいる一方で、この動きが新たな不安定さを生むとして複雑な感情を持つ社員も存在する。


まとめ
#

WordPressという世界的なオープンソースプロジェクトを育てたMullenweg氏が、自ら設立した会社の取締役会によって経営権を一時的に剥奪されるという、IT業界でも異例の事態が発生した。暫定CEOには同社CFOのDavies氏が就いており、Automatticは通常業務を継続するとしている。WordPress.orgプロジェクト自体への影響はないとされているが、訴訟や人員削減など複数の課題を抱えた同社の今後の動向は引き続き注目される。

筆者の見解: 今回の一連の流れは、創業者主導の企業であっても、ガバナンス上の問題が積み重なれば取締役会が動くというシビアな現実を示している。今後Mullenweg氏がいつ・どのような形で復帰するか、あるいは退任に至るのかは現時点では一切明らかでなく、詳細は元記事および今後の続報を参照されたい。


出典: Automattic’s board forces CEO Matt Mullenweg into leave of absence

関連記事