
Microsoftの「品質改善」、今月も既知の問題リストが証明する現実#
Microsoftが2026年9月に配信したセキュリティ更新プログラムが、リモートデスクトップサービス(RDS)の切断、一部USB音声デバイスの無音化、そしてExcelの貼り付け機能の停止という三つの深刻な問題を引き起こしていることが確認されました。同社が品質改善を強調している中、今月のパッチは逆に既知の問題リストを膨らませる結果となっています。
詳細解説#
リモートデスクトップサービス(RDS)が接続不能に#
今回の更新後、RDS(リモートデスクトップサービス)に関する問題報告がソーシャルメディア上で相次いで浮上し、Microsoftは公式にその事実を認めました。影響を受けるOSは複数のWindowsバージョンにわたり、Windows 11 26H1およびWindows Server 2012が含まれています。
具体的な症状としては以下が報告されています。
- 数分後に接続が突然切断される
- サーバーが「リモートデスクトップの構成をお待ちください」の画面で応答しなくなる
- Microsoft管理コンソール(MMC)、RDSライセンス診断ツール、エクスプローラーが応答不能になる
- Windows Updateのページが読み込み中のまま停止する
なお、Windows Server 2012は2026年10月13日に拡張セキュリティ更新(ESU)プログラムの提供終了が予定されているタイミングでのトラブルとなっています。
仮想マシンがRDP経由でアクセス不能になった場合は、VMを停止(割り当て解除)して再起動することで一時的に接続が回復する可能性があるとMicrosoftは述べており、現在修正対応を進めているとしています。
USB Audio Class 1.0デバイスで音声が消える#
Windows 11の26H1、25H2、24H2において、一部のUSB Audio Class 1.0デバイスが正常に機能しないことが確認されています。USB Audio Class 1.0は、以前の世紀にまで遡る古い規格ですが、今もなお多くのデバイスで使用されています。
症状としては、音声が完全に出なくなること、音設定や音量コントロールが壊れること、マルチチャンネル音声の問題などが挙げられています。一部のユーザーは2チャンネルモードに切り替えることで音声を回復できたとMicrosoftは述べていますが、修正の時期については明示されていません。
Excelで「貼り付け」が無言で失敗#
セキュリティ脆弱性(リモートコード実行および情報漏洩)を修正する目的で適用されたExcel向けパッチが、基本的なスプレッドシート操作である「貼り付け」機能を壊してしまいました。
Microsoftが公式に認めた内容によると、「貼り付け操作がサイレントに失敗する」ことがあり、ユーザーが貼り付けを試みてもコピー元は選択されたままで、貼り付け先のセルには何も変化が起きないとのことです。さらに問題なのは、エラー音も警告メッセージも一切表示されない点で、ユーザーが失敗に気づきにくい設計上の危険性があります。
影響を受けるバージョンは以下の通りです。
- Excel 2016
- Excel 2019
- Excel 2021
- Excel 2024
自動更新が有効なユーザーはすでにこの問題のある更新をインストール済みの可能性があります。Microsoftは公式な回避策を発表していませんが、フォーラム上ではOfficeをアンインストール・再インストールすることで解決したという報告や、コマンドを使ってセキュリティ更新そのものをアンインストールすることで貼り付け機能が回復したという報告があります。ただし、更新をアンインストールするとセキュリティ修正も同時に失われる点には注意が必要です。
なぜこのニュースが重要なのか#
これら三つの問題が同時に発生しているという事態は、エンドユーザーだけでなく、企業のシステム管理者にとっても深刻です。特にRDSの障害はリモートワーク環境において業務停止に直結するリスクがあり、Excel貼り付けの無音失敗はデータ作業の信頼性を根底から揺るがします。また、Microsoftが品質向上を公言しているタイミングでこれだけの問題が重なったことは、同社の品質管理プロセスに対する疑問を呼び起こしています。
まとめ#
2026年9月のMicrosoftセキュリティ更新は、RDSの接続障害、USB音声デバイスの不具合、そしてExcelの貼り付け機能停止という複数の問題を同時に引き起こしています。いずれもMicrosoftが公式に認めており、修正作業中とされていますが、Excelについては修正のタイムラインが示されていない項目もあります。
筆者の見解: セキュリティパッチの適用とシステム安定性のバランスは常に難しい課題ですが、今回のように基本操作が無言で失敗するという問題は、ユーザーの信頼を損なう意味で特に深刻です。自動更新環境では被害が広がりやすい構造にあるため、管理者は現時点での更新適用戦略を慎重に検討する必要があるでしょう。
出典: Microsoft patches Windows and Excel – breaks audio, remote access, and paste




