
TikTok元幹部が「AIフォトコーチ」アプリをローンチ#
TikTokの元従業員であるMelody ChuとJing Liuの2人が、AIを活用して写真撮影時のポーズを提案するiOSアプリ「Superpose」をリリースした。GoogleやAdobeなどの大手も参入するAIガイド付き写真撮影の領域で、スタートアップとしての存在感を示している。
Superposeとは何か?どう機能するのか?#
Superposeは、一言で言えば「AIがポーズを提案してくれるカメラアプリ」だ。
使い方はシンプルで、ユーザーが自撮りや友人の写真を撮影すると、アプリがAIを用いて4つの候補ポーズを自動生成する。生成されたポーズは保存することも可能で、「ポーズ合わせ機能(match-pose feature)」を使えば、提案されたポーズを参考にしながら実際に同じポジションで写真を撮ることもできる。
なお、生成されるポーズの中には大胆なものもあり、一部は「不気味の谷」的な印象を与えることがある点も開発側は認識しており、改善に取り組んでいると説明している。
料金体系#
- 無料枠: 1日5回の生成が無料
- 追加パック: 5回分が$2.99、20回分が$9.99で購入可能
開発者たちの背景とアプリ誕生のきっかけ#
共同創業者のMelody Chuは、Meta、Nextdoor、Roblox、TikTok、Slackといった著名テック企業でさまざまなプロダクトの役職を歴任してきた人物だ。一方、Jing Liuは3Dフェーススキャンのスタートアップの創業エンジニアとして活動した後、TikTokで画像・動画モデルの開発に携わったエンジニアである。
アプリ誕生のきっかけは、Chuの非常に個人的な悩みだったという。
「夫が私の写真を撮るのが本当に下手で、なぜかいつもひどく写ってしまう。コンピュータビジョンと生成AIの進歩でこの問題を解決できるはずだと思い、起業を決意した」
と、TechCrunchのインタビューでChuは語っている。
注目ポイント:競合との差別化戦略#
「本物の瞬間」へのフォーカス#
Googleは昨年Pixelスマートフォン向けに「Camera Coach」という構図やフレーミングをガイドする機能をリリースし、Adobeは2026年7月に実験的なカメラアプリで撮影した写真へのAIによる批評・改善提案機能を追加している。こうした大手の動きが相次ぐ中、SuperposeはAIを活用したポートレート撮影に特化することで差別化を図ろうとしている。
Chuは、AIによる背景生成や合成画像の作成には踏み込まず、あくまでリアルな写真撮影を支援することにこだわりを持つと述べている。
「実際に生きた瞬間や体験を記録することに集中したい。ファンタジックな場所に合成するアプリはすでに多数存在するが、私たちは記憶の記録という本質に向き合いたい」
とChuはコメントしている。
今後の開発方向性#
同スタートアップは現在、以下の3点を改善課題として挙げている。
- 生成ポーズのスタイルの向上
- パーソナライゼーションの強化
- ファインダーからユーザーを直接コーチングする機能の改善
資金調達と成長状況#
Superposeは2026年7月にローンチし、記事執筆時点でダウンロード数は2万2,000件超、ユーザーが生成したポーズ数は19万件超に達している。
資金調達面では、著名ベンチャーキャピタルのKhosla Ventures、スマートフォン・自撮りアプリメーカーの中国企業Meitu、およびOVTR VCから合計220万ドルを調達済みだ。
まとめ#
AIを活用した写真撮影支援は、Google・Adobeといった大手から新興スタートアップまで参入が相次ぐ注目領域となっている。Superposeは、「実際の生活の瞬間を記録する」というコンセプトのもと、ポートレート撮影特化のAIコーチングという独自ポジションを狙っている。ローンチから短期間での19万件超のポーズ生成という数字は、このニーズの実在を示している。今後のポーズ品質の改善やパーソナライゼーション強化がユーザー定着のカギとなるだろう。
筆者の見解: AIによる写真支援は、プロ向けではなく「普通の人が普通の場面で良い写真を撮れるようにする」方向へ進化しつつある。Superposeの「記憶の記録」という方向性は、AI合成画像が氾濫する現在において、むしろ独自の価値を持ちうると感じる。
出典: Former TikTok execs built an app that uses AI to teach you how to pose for a photo




