
MetaがMuseとOpenClawの類似性を公式に認めた#
Metaが提供するAIアシスタント「Muse」が、オープンソースのAIエージェントプロジェクト「OpenClaw」に「強く着想を得た」ものであることを、Meta幹部が公式に認めた。この発言はX(旧Twitter)上で行われ、AIコミュニティの間で大きな反響を呼んでいる。
発端:AIコミュニティでの指摘が口火を切る#
ことの始まりは、AIアプリの共同創業者であるAnsh NandaがX上に投稿したポストだ。Nandaは「MuseはNORMAL向けのOpenClawそのものだ」と主張し、Museとの会話のスクリーンショットを添付した。その会話の中でMuseのAIエージェント自身が、自分のシステムファイルとOpenClawのファイルの類似性は「偶然ではなく、一致だ」と述べていたという。
このポストが急速に拡散すると、他のユーザーも独自の比較・検証結果を共有し始めた。特に注目を集めたのが、両者のファイル構造の類似性だ。
- MuseもOpenClawと同じく「SOUL.md」というファイルを持っていることが判明
- SOUL.mdとは、AIエージェントの個性・コミュニケーションスタイル・価値観・行動規範・専門領域などを定義するテキスト設定ファイル(Markdownと呼ばれるシンプルな書式言語で記述される)
- さらに第三者の検証により、ファイル名が一致するだけでなく、SOUL.mdの内容もほぼ同一であることが明らかになった
Meta幹部Nat FriedmanがX上で公式コメント#
このバイラルな議論を受け、MetaのスーパーインテリジェンスラボMSL(Meta Superintelligence Labs)でプロダクト責任者を務めるNat Friedmanが公式に見解を表明した。Friedmanはかつてはそれ以前にGitHubのCEOを務めており、昨年MetaにチーフAIオフィサーのAlexandr Wangとともに参加した人物だ。
FriedmanはXへの投稿でこう述べている(TechCrunchによる句読点修正済み):
「Museはゼロから構築しましたが、プロダクトとしてはOpenClawに強く着想を得ています。1月にOpenClawを使った後、MSLチームのためにMac miniを数百台購入し、多くのメンバーがOpenClaw(および他のパーソナルエージェント)の使用に魅了されました。@steipete(OpenClawの作者、Peter Steinberger)は天才であり、彼のフレームワークは最初から先駆的なものでした。多くの人が彼のアイデアにインスピレーションを受けたと思います。私たちのMuseの目標は、OpenClawのようなものを、安全・安心・使いやすく、何十億人にもスケールできる形で作ることでした。」
また、ファイル名や内容がほぼ同一である点について問われると、Friedmanは否定せず、「Peter(Steinberger)がそれらの点を完璧に正解していたから」と回答している。
なぜこのニュースが重要なのか#
このニュースにはいくつかの注目すべき点がある。
1. オープンソースプロジェクトへの影響力 OpenClawはオープンソースプロジェクトであるため、MetaがそこからインスピレーションやアイデアをMuseに活かすこと自体は技術的・法的に問題ないと考えられる。しかし、ファイル名だけでなく内容まで「ほぼ同一」という指摘は、単なる「着想」の域を超えているとの見方もある。
2. MetaのAI戦略の定石 記事ではMetaが「有望なプロダクトの優れた機能をコピーする」という慣例的な手法をとることが指摘されており、過去にはSnapchatのストーリーズ機能を参考にした事例が代表例として挙げられている。Museの開発もその文脈で語られている。
3. MuseのApp Store上での快進撃 Museはすでに米国App Storeで1位を獲得しており、ChatGPTのリリース時と比較してもユーザー獲得のペースが上回っているというデータもある。OpenClawのインスパイアを経て生まれたMuseが、このような成果を出していることは注目に値する。
4. OpenClawの作者が評価された形に OpenClawの作者であるPeter Steinbergerは、OpenAIに買収されたことも記事内で触れられている。MetaがMuseの参考にするほど影響力のあるプロジェクトを生み出したことは、オープンソース開発者コミュニティにとって意義深い出来事といえる。
まとめ#
MetaはAIアシスタントMuseが「ゼロから構築された」と主張しつつも、オープンソースAIエージェントOpenClawから「プロダクトとして強くインスパイアされた」ことを公式に認めた。SOUL.mdというファイルの名称・内容がほぼ一致しているとの指摘に対しても、Meta幹部はこれを否定せず「OpenClawが正しかったから」と回答している。
筆者の見解: MetaがオープンソースのOpenClawを参考にしてMuseを開発すること自体は、オープンソースの精神に沿ったものと言える。しかし、ファイルの内容まで「ほぼ同一」という状況は、今後オープンソースコミュニティとの関係において透明性のある説明が求められる局面になるかもしれない。とはいえ、MuseがApp Storeで1位を獲得し急速に普及していることは、OpenClawの設計思想がいかに優れたものであったかを証明しているともいえる。
出典: Meta admits Muse’s likeness to OpenClaw isn’t a coincidence




