
中国EV充電技術が「ガソリン並み」の速度域へ#
中国の自動車メーカーGeely(吉利汽車)が、最大出力2.2MWという超高速充電に対応した新型バッテリーを発表した。バッテリー残量10%から70%までわずか4.5分で充電できるという数値は、ガソリン車の給油時間に迫る水準であり、米国のEV充電インフラとの間に大きな開きが生じていることをあらためて浮き彫りにしている。
Geely新型バッテリーの技術詳細#
Geely発表の主な仕様は以下のとおりだ。
- 充電出力: 最大2.2 MW
- 10→70%充電時間: 4.5分
- 10→98%充電時間: 8分40秒
- 充電中のパック平均温度: 55℃
- 充電中のピーク温度: 65℃
高速充電を繰り返すと通常はバッテリーの劣化が懸念されるが、GeleyはAIを活用した予測型熱マネジメントシステムを採用しているという。さらに、急速充電を繰り返すことで負極に蓄積するリチウムイオンに対し、微小パルス電流を印加して「再活性化」する技術を組み合わせることで、バッテリー寿命を20%延長できるとGeleyは説明している。
このバッテリーパックは、Zeekr 001およびLynk & Co 10でテスト済みであることがソース記事に記されている。
中国勢の充電速度競争:BYDとCATLの動向#
Geleyの数値は競合他社をしのぐものだが、中国国内では激しい競争が続いている。
| メーカー | 発表時期 | 10→70%充電 | フル充電目安 |
|---|---|---|---|
| CATL | 4月 | — | 10→80%: 3分44秒 / 10→98%: 6分27秒 |
| BYD | 3月 | 5分 | 10→97%: 9分 |
| Geely | 今週 | 4分30秒 | 10→98%: 8分40秒 |
ソース記事によれば、数値上ではCATLのLFPバッテリー(10→80%が3分44秒)が依然としてトップの座を維持している。
米国の現状:充電インフラと車両側の受電能力#
一方、米国における急速充電の状況は大きく異なる。ソース記事に記載されている主要な充電設備の最大出力は以下のとおりだ。
- Tesla Supercharger(最新世代以外): 250 kW / 400 V
- Electrify America: 最大350 kW
- IONNA(新型機器): 400 kW
- ChargePoint(Express Solo): 600 kW
最大値でも600 kWであり、中国勢の2,200 kW(2.2 MW)と比較すると、出力規模の差は明らかだ。
また、車両側が受け入れられる充電速度にも差がある。HyundaiやKiaの800V対応EV(Ioniq 5やEV6など)は800V DC急速充電器でも最大約240 kWに留まり、PorscheのTaycanは最大320 kWとなっている。最近登場したBMW iX3やPorsche Cayenneといった新世代の800V対応ドイツ車は、400 kWの受電能力を備えているとソース記事は伝えている。
米国でメガワット級の充電が利用されているのは、現状ではバス・大型トラックなど重量級商用EVに限られている。ChargePointのCEO、Rick Wilmer氏はArs Technicaに対し、Express Soloを2台組み合わせてDCバスを共通化することで1ポートから1.2 MWの供給が可能になると説明しているが、NACS/CCS1コネクターではその電力量を扱えず、MCSコネクター(メガワット充電システム)が必要になると述べている。
まとめ#
ソース記事が示す事実を整理すると、中国のOEM各社(Geely、BYD、CATL)は既に「10分以内にほぼ満充電」という水準に到達しており、充電速度という観点でガソリン給油との差を急速に縮めつつある。対して米国では、充電インフラ側の最大出力が600 kW、車両側の受電能力も多くの場合400 kW以下にとどまっており、技術的なギャップは数値として明確に存在する。
筆者の見解: 数値の差だけを見ると衝撃的だが、充電インフラの普及、コネクタ規格の統一、車両側バッテリーの対応といった複数の要素が絡み合う問題であり、単純に「中国が勝っている」と断じるのは早計かもしれない。ただ、ソース記事が指摘するように「米国が時代遅れに見える」という印象を消すためには、インフラと車両双方での急ピッチな対応が求められることは間違いないだろう。
出典: US being left behind in EV charging speeds as China goes sub-5 min to 70%





