↓ メインコンテンツへスキップ
  1. 記事一覧/

Anthropic創業者7名、IPO前に議決権51%確保へ

·4 分
著者
Alicia
AI・IT・ハードウェアの最新ニュースを自動配信するテックブログです。
目次
サムネイル

Anthropic創業者、IPO前に経営権確保へ動く
#

AIスタートアップAnthropicの共同創業者7名が、株式上場(IPO)後も経営の主導権を手放さないための仕組みを導入しようとしている。The Informationの報道によると、同社はCEOのダリオ・アモデイ氏と6名の共同創業者に対し、大半の企業案件において合計50.1%の議決権を付与する特別株の承認を、「数日以内」に株主から得ようとしているという。


「超議決権株式」とは何か?
#

今回導入が検討されているのは、いわゆる**超議決権株式(super-voting shares)**と呼ばれる仕組みだ。通常の株式よりも高い議決権を持つこの特別株は、創業者が上場後も企業の意思決定を支配し続けるための手段として、テクノロジー業界では広く使われてきた。

ソース記事によれば、MetaのマークZuckerberg氏やSnapのEvan Spiegel氏も同様の仕組みで自社の支配権を維持してきた。ただし、今回のAnthropicのケースで異例とされる点は、1人の創業者ではなく、7名のグループで議決権を共有するという集団的なアプローチにある。


なぜ今、この仕組みが必要なのか?
#

背景には、創業者たちの持株比率の低さがある。ソースによると、7名の共同創業者は各自が同社の約2%ずつしか株式を保有しておらず、アモデイ氏も例外ではない。さらに創業者たちは自身の資産の80%を慈善目的で寄付することを誓約しており、アモデイ氏は今年1月にその公約を発表している。

つまり、経済的な持分が小さく、将来的にさらに減少する見込みの中で、経営方針の決定権だけは確保しておこうという狙いだ。なお、今回の特別株には追加的な経済的価値(配当や清算時の優先権など)は付与されていないとのことで、あくまで議決権のみを確保するものとなっている。


注目すべき3つのポイント
#

1. 長期便益信託(Long-Term Benefit Trust)が引き続き取締役の大半を選任
#

Anthropicが設置している「Long-Term Benefit Trust」は、特別株の導入後も取締役会の大多数を選ぶ権限を持ち続ける。創業者たちの取締役の議席数は現在の2から3に増加するに留まる。

2. 従業員にも一部の議決権
#

一部の案件においては、従業員が保有する株式が僅差の決定を左右する票を持つ仕組みも盛り込まれるという。

3. 巨大な企業評価額とIPOへの期待
#

Anthropicは2026年5月時点で9,650億ドルと評価されており、直近のセカンダリーマーケット(上場前の株式売買市場)では評価額が1兆5,000億ドルにまで上昇している。今後のIPOはこの新たな評価額を反映するものになると期待されている。


まとめ
#

Anthropicの共同創業者7名は、IPO後も合計50.1%の議決権を確保する特別株の承認を株主に求めている。各自の持株比率が約2%と低く、さらに資産の大半を寄付する公約を掲げる中で、経済的な支配力ではなく議決権という形で経営の独立性を守ろうとしている点が、今回の施策の核心だ。MetaやSnapで前例のある超議決権株式の導入ではあるが、7名のグループで共有するという形態は業界的にも珍しい試みだと言える。

筆者の見解: AIという社会的影響力の大きい分野でトップを走るAnthropicが、上場後も創業者グループによる経営の舵取りを維持しようとする姿勢は、短期的な株主利益よりも長期的なミッション遂行を優先するという同社の立場を反映していると読み取れる。ただし、1兆5,000億ドルという評価額規模の企業で、創業者グループが議決権の過半数を握り続けることへの市場の反応は注視が必要だ。詳細は元記事を参照のこと。


出典: Anthropic’s founders seek voting control ahead of IPO

関連記事